今回は軍事関連のお話を。
このほど5月12日、防衛省はミサイル迎撃用の高出力レーザー兵器の研究開発に着手する方針を固めた。来年度からの開始で、予算概算要求に盛り込む方針。地上配備型となるが将来的には航空機搭載型についても検討する。
防衛庁から防衛省へ。
これと同じ様に、当たり前の事が当たり前の事としてようやく、少しずつだが進みつつある。
日本型軍事アレルギー症状に陥っていない詳しい方には釈迦に説法だろうが、本随筆は出来るだけ分かり易く、それ程知られていない(だろう)事などを綴っていきたいとも考えているので、是非似たり寄ったりの筆者と共に理解を深めて頂ければと思う。
まず、ミサイル迎撃とは何ぞや。
敵地などへ発射される攻撃ミサイルも、地対地(地上から地上目標へという意味。以降、対船艦、対航空機の意)、地対艦、地対空、艦対地、と以降辞書式に列挙して頂けば良いが、多数ある。そのうち、自国領土内から敵地へ向けて攻撃発射されるものがよく言われる大陸間弾道ミサイルだ。同じ長距離ミサイルである巡航ミサイルが大気圏以内の空域を、レーダー察知を可能な限り回避する為に低空で飛ばすのに比べて、弾道ミサイルは宇宙空間を飛び、しかも速度はより速い。ゆえに迎撃が難しく、その為には非常な技術を要する。
ただその代わりに、命中精度を代償とするので、そのミサイルの頭、弾頭に核爆弾の様な広範域を破壊する大量破壊兵器を搭載する事でカバーする。遠くから囲碁盤のある1マスへ正確に投げ落とすのが難しいので、その周囲が一辺10マスの正方形内に落とせば効果がある様にする、という風に想像して貰えば分かり易いかと思う。
いかがだろう。
これが弾道ミサイルに核を積んだ、俗に言う「核ミサイル」である。
これが如何に恐ろしい企みであるかが分かって頂けよう。弾頭の核爆弾がそれなりのもので、まともに飛んで来さえすれば大都市に落とそうが、基地を狙おうが相当の被害が出る事は間違いなく、例えば原子炉などを狙っても相当の誘発被害が出る。まさに悪魔的大量破壊兵器だ。
ミサイル迎撃(システム)とは、この悪魔が飛んで来る間に撃ち落とす事をいう。
そこで、弾道ミサイルの飛来軌道において迎撃する3つのポイントがある。
1、発射直後のブースト段階。宇宙へ向かう大気圏突入前。
2、慣性飛行段階。宇宙空間を慣性飛行している。
3、再突入段階。宇宙空間から大気圏に再突入してまさに落ちて来る段階。
その特徴と対応方法は
1、ミサイル自体がまだ低速。更に弾頭切り離し前であるから標的自体が大きく、迎撃が容易である。当然、敵地領空での撃墜となる。
2、迎撃が成功すれば宇宙空間であるから2次被害は少ないと考えられる。スタンダードミサイル SM-3で迎撃。海上のイージス艦から発射する。
3、最終局面での迎撃。ここで撃ち落とせないと、当然領土に被弾する。例えこの段階で迎撃に成功しても、残骸落下や弾頭が核爆弾であれば放射性物質が降り注ぐ2次被害の可能性が充分にある。パトリオットミサイル PAC-3の改良形態で迎撃。
この様になる。
2のスタンダードミサイル SM-3は更に次段階改良型を日米で共同開発中。搭載するイージス艦はあたご型、こんごう型共にミサイル防衛システムに対応するため更に改修予定。イージス艦とは、世界最高峰の防衛能力を持ち、特に対空攻撃能力に優れているというあのイージス艦だ。パトリオットは改良型が続々と配備されつつある。ただ射程が短いので日本全土をカバーするのは不可能に近く、先述した様に2次被害を考慮すると、本当に最後の備えだ。
さて、ここで気付かれるだろう。
1の対応はどうなっている、と。
そう、それが冒頭の迎撃用高出力レーザー兵器だ。
これをもって発射直後のブースト段階に対応する。
そもそも国民の生命や財産を守る為、弾道ミサイルの撃墜・迎撃を可能な限り100%に近付ける為には、可能な3段備えの全てを構築するのが当たり前だろう。なのに何故か日本では、日本独特のアレ、意味不明な反対や議論が湧いて出てまとわりつき、結果いつもいつも遅々として進まなくなる。本当に反日思想や念仏的平和夢想とは不思議な物で、それらが相まって思考停止状態に陥ると、まことに奇妙キテレツな理論をつむぎ出す。その議論や反対とは、
1の段階のレーザー(にしろ何にしろ)迎撃は、「敵地領空内となるから専守防衛に反し、認められない」だとか「撃った段階では、まだ日本に向けて発射されたか分からない」「(1段階にしろ2段階にしろ)万が一日本に撃ったものでなく、例えば米国に向けて撃ったものだったとしたらそれは集団的自衛権の行使となり問題がある」「100%撃ち落とせもしないのに大金を掛けるなら、その金を他に回せ」「平和主義に反する」だとか。。。
一体どこまで阿呆な議論をもてあそんで、田分けた寝言を言えば気が済むのか。
それだったらまだ、
「そのミサイル防衛システム自体が、米国の軍事産業による利益誘導計画だ。」といった反論の方がある意味鋭い。それが正しかったとして(正直かなり鋭いと思う)、だったら世界中で米国が噛んでいる戦争や紛争自体が全てそうであろうし、その緊張状態に次々と武器が投入されている現実を前にして、では現実的にどう対応するのか?
そういった対案が有りもしない「ただの反対」だったら、相変わらずそんなものは便所の紙ほどにも、米国のヒル国務次官補ほどの役にも立たない。自国民が飢えようがお構い無しで核兵器などの大量破壊兵器を開発をするイカレた国がすぐ隣にある、現前とした事実脅威に対して、イザという最悪の事態にどう対処するのか。その有効な代案が無ければ、当面有る方法で対応するしかない。
またぞろ、「外交で」「話し合いで」などと寝ぼけた事を言うならば頭を洗って出直した方が良い。
そんなものは当たり前だ。やるに決まっている。
それでも、その上でも降り掛かって来る最後の、「最悪の事態への備え」が必要なのだ。
念仏的平和夢想に酔い、泣きながら「武力である兵器や自衛隊に頼るより、その時は諦めて皆で死ねば良い」などと言う変質者は頼むから自分一人でそうしていて欲しい。少なくとも私は、自分や家族、友達やこの国に住む人々がそんな怪しげな思想の巻き添えにされるのは真っ平ご免だ。
ミサイル防衛、そしてそのブースト段階でのレーザー迎撃は、ましてや技術的に比較的容易であるのだから現状やるべきであると筆者は考える。
そやって、悪魔兵器である核搭載弾道ミサイルなど、核兵器など作っても無意味な現実世界をこそ作ってしまえと強く思う。
核兵器が無力化すれば、世界は激変する。
核兵器が無力化すれば、核の傘は?
答えはおのずと見えて来る。
某同盟国の一部にそれを望まない勢力もいるかも知れず、核の次はまた何か、
次なる悪魔兵器が登場を待ち望んで笑っているのかも知れないが。
今やれる事を、やるべきだ。
このほど5月12日、防衛省はミサイル迎撃用の高出力レーザー兵器の研究開発に着手する方針を固めた。来年度からの開始で、予算概算要求に盛り込む方針。地上配備型となるが将来的には航空機搭載型についても検討する。
防衛庁から防衛省へ。
これと同じ様に、当たり前の事が当たり前の事としてようやく、少しずつだが進みつつある。
日本型軍事アレルギー症状に陥っていない詳しい方には釈迦に説法だろうが、本随筆は出来るだけ分かり易く、それ程知られていない(だろう)事などを綴っていきたいとも考えているので、是非似たり寄ったりの筆者と共に理解を深めて頂ければと思う。
まず、ミサイル迎撃とは何ぞや。
敵地などへ発射される攻撃ミサイルも、地対地(地上から地上目標へという意味。以降、対船艦、対航空機の意)、地対艦、地対空、艦対地、と以降辞書式に列挙して頂けば良いが、多数ある。そのうち、自国領土内から敵地へ向けて攻撃発射されるものがよく言われる大陸間弾道ミサイルだ。同じ長距離ミサイルである巡航ミサイルが大気圏以内の空域を、レーダー察知を可能な限り回避する為に低空で飛ばすのに比べて、弾道ミサイルは宇宙空間を飛び、しかも速度はより速い。ゆえに迎撃が難しく、その為には非常な技術を要する。
ただその代わりに、命中精度を代償とするので、そのミサイルの頭、弾頭に核爆弾の様な広範域を破壊する大量破壊兵器を搭載する事でカバーする。遠くから囲碁盤のある1マスへ正確に投げ落とすのが難しいので、その周囲が一辺10マスの正方形内に落とせば効果がある様にする、という風に想像して貰えば分かり易いかと思う。
いかがだろう。
これが弾道ミサイルに核を積んだ、俗に言う「核ミサイル」である。
これが如何に恐ろしい企みであるかが分かって頂けよう。弾頭の核爆弾がそれなりのもので、まともに飛んで来さえすれば大都市に落とそうが、基地を狙おうが相当の被害が出る事は間違いなく、例えば原子炉などを狙っても相当の誘発被害が出る。まさに悪魔的大量破壊兵器だ。
ミサイル迎撃(システム)とは、この悪魔が飛んで来る間に撃ち落とす事をいう。
そこで、弾道ミサイルの飛来軌道において迎撃する3つのポイントがある。
1、発射直後のブースト段階。宇宙へ向かう大気圏突入前。
2、慣性飛行段階。宇宙空間を慣性飛行している。
3、再突入段階。宇宙空間から大気圏に再突入してまさに落ちて来る段階。
その特徴と対応方法は
1、ミサイル自体がまだ低速。更に弾頭切り離し前であるから標的自体が大きく、迎撃が容易である。当然、敵地領空での撃墜となる。
2、迎撃が成功すれば宇宙空間であるから2次被害は少ないと考えられる。スタンダードミサイル SM-3で迎撃。海上のイージス艦から発射する。
3、最終局面での迎撃。ここで撃ち落とせないと、当然領土に被弾する。例えこの段階で迎撃に成功しても、残骸落下や弾頭が核爆弾であれば放射性物質が降り注ぐ2次被害の可能性が充分にある。パトリオットミサイル PAC-3の改良形態で迎撃。
この様になる。
2のスタンダードミサイル SM-3は更に次段階改良型を日米で共同開発中。搭載するイージス艦はあたご型、こんごう型共にミサイル防衛システムに対応するため更に改修予定。イージス艦とは、世界最高峰の防衛能力を持ち、特に対空攻撃能力に優れているというあのイージス艦だ。パトリオットは改良型が続々と配備されつつある。ただ射程が短いので日本全土をカバーするのは不可能に近く、先述した様に2次被害を考慮すると、本当に最後の備えだ。
さて、ここで気付かれるだろう。
1の対応はどうなっている、と。
そう、それが冒頭の迎撃用高出力レーザー兵器だ。
これをもって発射直後のブースト段階に対応する。
そもそも国民の生命や財産を守る為、弾道ミサイルの撃墜・迎撃を可能な限り100%に近付ける為には、可能な3段備えの全てを構築するのが当たり前だろう。なのに何故か日本では、日本独特のアレ、意味不明な反対や議論が湧いて出てまとわりつき、結果いつもいつも遅々として進まなくなる。本当に反日思想や念仏的平和夢想とは不思議な物で、それらが相まって思考停止状態に陥ると、まことに奇妙キテレツな理論をつむぎ出す。その議論や反対とは、
1の段階のレーザー(にしろ何にしろ)迎撃は、「敵地領空内となるから専守防衛に反し、認められない」だとか「撃った段階では、まだ日本に向けて発射されたか分からない」「(1段階にしろ2段階にしろ)万が一日本に撃ったものでなく、例えば米国に向けて撃ったものだったとしたらそれは集団的自衛権の行使となり問題がある」「100%撃ち落とせもしないのに大金を掛けるなら、その金を他に回せ」「平和主義に反する」だとか。。。
一体どこまで阿呆な議論をもてあそんで、田分けた寝言を言えば気が済むのか。
それだったらまだ、
「そのミサイル防衛システム自体が、米国の軍事産業による利益誘導計画だ。」といった反論の方がある意味鋭い。それが正しかったとして(正直かなり鋭いと思う)、だったら世界中で米国が噛んでいる戦争や紛争自体が全てそうであろうし、その緊張状態に次々と武器が投入されている現実を前にして、では現実的にどう対応するのか?
そういった対案が有りもしない「ただの反対」だったら、相変わらずそんなものは便所の紙ほどにも、米国のヒル国務次官補ほどの役にも立たない。自国民が飢えようがお構い無しで核兵器などの大量破壊兵器を開発をするイカレた国がすぐ隣にある、現前とした事実脅威に対して、イザという最悪の事態にどう対処するのか。その有効な代案が無ければ、当面有る方法で対応するしかない。
またぞろ、「外交で」「話し合いで」などと寝ぼけた事を言うならば頭を洗って出直した方が良い。
そんなものは当たり前だ。やるに決まっている。
それでも、その上でも降り掛かって来る最後の、「最悪の事態への備え」が必要なのだ。
念仏的平和夢想に酔い、泣きながら「武力である兵器や自衛隊に頼るより、その時は諦めて皆で死ねば良い」などと言う変質者は頼むから自分一人でそうしていて欲しい。少なくとも私は、自分や家族、友達やこの国に住む人々がそんな怪しげな思想の巻き添えにされるのは真っ平ご免だ。
ミサイル防衛、そしてそのブースト段階でのレーザー迎撃は、ましてや技術的に比較的容易であるのだから現状やるべきであると筆者は考える。
そやって、悪魔兵器である核搭載弾道ミサイルなど、核兵器など作っても無意味な現実世界をこそ作ってしまえと強く思う。
核兵器が無力化すれば、世界は激変する。
核兵器が無力化すれば、核の傘は?
答えはおのずと見えて来る。
某同盟国の一部にそれを望まない勢力もいるかも知れず、核の次はまた何か、
次なる悪魔兵器が登場を待ち望んで笑っているのかも知れないが。
今やれる事を、やるべきだ。
追記:
ちなみに、その大陸間弾道ミサイル、ついこの間の2006年7月5日に北朝鮮が発射実験を行い日本や世界の強い非難と警戒感を呼んだ悪名高きテポドン2号らがそれである。射程が1000km程度かそれ以内のノドンやスカット型らもそうであり、近隣の日本や韓国、台湾にとってはこちらが脅威となる。テポドン2号は射程3500km〜6000kmと言われるので、その対象は明らかに米国などだ。これが本当に飛ぶならば、グァム・サイパンや頑張ってハワイ、アラスカに何とか届くかも知れない。ただ、北の実験ではテポドンは失敗して落ちているが。ちなみに目標はハワイ周辺だったという。
そして、直後の10月9日に核実験。
現実を見て欲しい。この事実を見て何が平和利用なのかと。幾ら低質といえこれらが脅威の対象であるのはどこからどう見ても間違いなく、「平和利用だと言っているんだからそうなんだ」という様な考え方を本気で吐くならばその甘ちゃんさは最も人の死に近く、そうでないならば諜報工作活動の類いだ。どちらにしろそれはマトモでなく、事実誤認でありミスリードである。1998年のテポドン1号も、名目は人工衛星打ち上げ、核開発も平和利用だと北朝鮮は言い張っていたのだ。
それらはいずれも(米国民主党)クリントン政権時の話である。この迷惑な政権は親チャイナ路線どころか即席同盟的な勢いで彼らと組み、同盟国である日本バッシングに明け暮れ、この様ないい加減な対応で北朝鮮をも甘やかし、現在の様な状況を作った。この様な状況とはもう一度言うと、ゴマカシとゴネ倒しで時間稼ぎをしながら弾道ミサイルの能力を上げ、弾頭に積む核を開発したという状況だ。これらが幾ら低質とは言え、目の前にある脅威である事は間違いない。
歴史に学ぶべきだろう。
経験すらもがそれらを示している。
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