<エゴの果ての矛盾/悪化プラス・モラトリアム>
米国に関してだが、グローバルスタンダードたるものは市場原理主義だとか言い回っていたくせに、10数個の特定銘柄株に関しては空売り規制を掛けるそうだ(対象ファニーメイ、フレディマックなどか)。
世界的な原油・食料価格の異常高騰には明らかなる先物投機関与があるはずで、しかしながらそれに関してはホッカムリして知らぬ存ぜぬのつもりか?
取り敢えず、(日本の)政府・資源エネルギー庁はそれを認識しており、実質3、40%強の上積みがある模様との報告書を出している。しかしながらその資料の数値を最近はとうに振り切ってすらいる。結局、諸々挙げた中東危機そのものや直結する供給懸念、そもそもある経済不安にコスト増、インフレ、金融不安に新興国の消費増加など様々に絡まっているが総じて向かっていた(る)方向は、あのままなのだ。極めて悪質なのが危機時に際しての買い占めであるが、又別にあるのが、投資対象としての確実性、つまり他事象への不安からの回避行動に他ならない。(流石に日経やロイター等々<NHKもかな?>経済関係の所は即座に反応していたのを記憶している。マーケットの恐怖指数だ。サミット終了辺りで大幅に上昇しつつあった株価はイランでミサイルが飛んで急転下落した。そして原油は上昇/こういう動向)
であるから、
せめて現状最主力エネルギーである原油や(小麦・トウモロコシ・米など)最低限の食料などに対する投機には規制が必要である、としたのだ。
米国は、まだ「行き過ぎた市場原理主義」を改める気がないのだろうか?この期に及んでも。
そのくせ、持論の原理主義に則り2004年に規制緩和した空売り規制を、これのみまた掛けるというのだ。しかも、特定銘柄にのみ。
しかも、その渦中にある住宅関連のモノは「暗黙の政府保証」があるから非常に優良な債券であるとの宣伝ときたもので、
「米国金融システムは健全」などと(まあ、これはそう言うだろうが)ブッシュは言いながら、
(該当金融機関の)経営不振、懸念、株価大幅下落で叩き売られるから空売り規制だそうだ。
もう、あちこち相当に矛盾した言い草だ。
基本的に必要なはずの規制には持論を曲げたく無いのか知らないが、多くの苦しんでいる人々を尻目に知らんぷりで(規模は世界的だ。しかし、それは米国一国のみの話でもない。世界の国々が皆そう。故に、サミットなど世界機関での話し合いと連携が必要であるとしてきたのであるが、その行き過ぎた市場原理主義をゴリ押そうとするのが米国であるから特にそう指摘するのだ)、何だか自説にも矛盾する様な論法で妙な片手落ちはやる。何でそっち「のみ」なんだ。むしろ一方でも「何でそっちやねん」という話だ。何で不当空売りは規制で不当買占めには何にもないのかと。
今までの経緯、その他事象諸々を含めても、やはり極めて不誠実と言わざるを得ない。本当に酷い。
で、そのやり口も下手をすれば強烈な失策となりかねないと指摘している意見を目にしたが、中々鋭い。CDS市場だ。
とにかく、米国はもういい加減にしろと言うのだ。
(大体、自国の国民の大多数も経済や金融、国民の消費生活、物価/原油高には極めて不安を覚えているようじゃないか。まあ当然だろうが。)
間違いがあったなら、それを正すのが正しいのであり、屁理屈や面子がどうのと頑なにそれを正さないのが明らかなる間違いだ。
結局それが無用な損害や信用の失墜を産む。
虚栄のかがり火が消えたとしても、その実、リアルは無くならない。必ず残る。
追記:
科学技術の革新により化石燃料依存から脱出すれば、その(今回の最低限の)規制も不要なものとなるのも自明の理だ。それは、その時その都度に見る現状とのバランスである。しかし、その革新が急激に進んでも一気に来年から、などとエネルギーの依存問題が即解決するものでない。故に必要なのである、今は。
世界中でインフレ、物価高、原油高騰、コスト増、食料価格高騰、、運輸や漁業、農業など様々な分野で、効率性改善のみではどうにもならんくらいの被害が出ている。
即効性のある方法とはあの時点で、その実効果が欲しかったならやるべきだったのだ。別に今からでも遅くはない。
<08/7/20>
08/8/7追記:
アフリカや東南アジア等の非常に貧しい国地域、中南米でもそうで、元々食えない状態にあった所がどれだけ苦しんでいるかその窮状や意見を真摯に聞いて皆で対処すべきだ。特に酷いのが、感染者の多いアフリカHIV感染患者のケースで、主食であるトウモロコシの粉ですらが、中々十分に買えない、そんな中で価格が二倍に上昇して投薬治療に必要な栄養の摂取すらままならない状態だという。
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