さて、、色々な案件が山積でどれから手をつけたものか…といった感がまたあるが、基本的に色々リンクしているのでそのまま出来る限り流れる様に行こう。
まず、前稿(「絶望を希望へ」の事)からの流れがある上、以前から警鐘を鳴らしている、おおよそ誰もが望まぬだろう悲劇的なシナリオと結末、そんな未来へゴロゴロ転がっていく事を回避する為に現時点において解決の道筋を付けなければならない物事がある。何度も書いて来た事だがその一つをまた、一つ前で大方の対処法として提起した。少々補完するのと、そこから先だ。まあこれも既にほとんど書いているので、解決法というのは自ずと見えて来るのだが、サミット前に少しでも補完して置きたいと思う訳である。
今、世界的に漂う妙な、キナ臭い雰囲気。実際、特に中東など世界情勢としてはかなりマズい空気が漂ってきているのだが、それなりに平和である国や地域ではこういったものを感じる感覚が鈍くなりがちで。それは仕方の無い事でもあるが、しかしながらそれでも危機的な何かが起きて来ているのではないか、という感覚を少なからぬ人々が、今は、感じているはずである。それが、世界が今までかつて経験した事がない程の原油高騰、急激な物価上昇、経済、金融不安、食料危機等といった様に現実的に、数字としても生活としてにも顕れて来ているのである。そして日本としてならば当然の事として皆で考え、声を上げるべき直近の問題がまたあり、それは何度も言うが色々な事象に確実に連鎖、リンクしている。それが、6カ国協議にまつわる米朝(チャイナもやや。というか北京五輪準備とチベット、東トルキスタンや国内人権問題などでヘタバっているので、どうでもいいから早く済ませて欲しいといった感じだろう。四川の大地震については、これは天災であり大変気の毒な事だ。早く復興される事を本当に願う。故にそんな事柄を一々絡めるつもりはないが、自分達が助けて貰うのは何でも当然でありそれにすらあれこれ文句をつける、しかし他人、他国の重大事には極めて不誠実という。。実に困った国だ。チベット等現在他国を侵略中、、という状態であるし、国内の人権すら滅茶苦茶なのだからさもありなんだが、、そのままでは皆が迷惑するのだ。いい加減にして欲しい)の妙な癒着により、また、店晒(たなざら)しにされかかっている拉致問題。「何でそうなるんじゃど阿呆!」と激しく罵倒したくなる様な馬鹿げた話である。こんなフザケた話はない。
前原稿と併せて見て頂きたいのだが、
こういうタワケた予備協議なり合意なりになる背景というのは、自国が拉致被害国でないからという面もまあ前提としてあるのだろう。しかしながら、何度も言ってきた事に加え、任期切れを踏まえて手柄が欲しい(ブッシュ本人やライス<→ヒル>等現執行部。共和党の宣材としても幾分は当然あろう)と焦っているのであろう事。アフガン、イラクなども一向に安定しない。中東をどんどん掻き混ぜて自身も泥沼に漬かっていく感じである。中南米でもチャベス(ベネズエラ大統領/ブッシュとは犬猿どころか悪魔と罵り合う仲)に象徴されてしまうかの様な反米左翼化が進行してしまったり、EPA/FTA交渉でもそう思った様に行くものでもない。経済・金融などについても以前に大きく取り上げた様に、サブプライムショックも相まって実にマズい(故に、別に「潰れちまえ」と思う訳でもないので、現実的な関係性も考慮して総体的に軟着陸させる方向性を提起した。している。)。国内農産/エネルギー対策の妙手として期待したバイオエタノール構想も、こういった現実の中で極めて裏目に出てしまった。温暖化問題に関しても、最大排出国であるにもかかわらず(むしろ、故にとも言えるが。苦しいのは分かる。分かるが)実に後ろ向き。東欧で進めたいMD(米ミサイル防衛)構想の施設設置計画でも、どうも上手く行っていない様だ(ポーランド/リトアニア等)。もう軒並み腰砕けなのである。ちょっと気の毒になってくるくらい。
ではそもそも、何故こういった事になってくるか分からないだろうか。
原因は明快である。
極めて米国のエゴや国益のみに固執して追求してきたforeign policy、そういった態度の結果である。
よく、米国の政治家どころか学者、国民ですらもが、「世界的覇権国家」的な発言や演説を行って悦に入る様な場面をみる事があるものだが、
他の国々の人々がそれをどう感じているか全く知らない訳でもあるまい。解り易くしたデフォルメだが、
とあるアメリカ人 :「…アメリカは世界のリーダー、警察として!…・・・」
例えば欧州の人など:「だ、か、ら、誰が頼んだ!!」
例えば日本の人など:「ははは…(苦笑)」
こんな感じなのである。
実の所、極めて多くではないが、私も今までそれなりに色々な国の人と話したものだが、全体的に、特に政治的な意味合いを加味すると尚、米国を非常に賞賛する意見とはほとんど聞いた事が無い。大概が、ワガママ・ジャイアン国家、といった評価だ。私もほぼ、同意見である。それはまあ色々な人がいるものだが、フランス人だとか元々確執意識のある所だけでなくカナダやイギリス人ですらそう言っていたのを聞いたもので、これには「へ〜?!」と驚いたものだ。トルコはイスラム圏に差し掛かった国だが、親欧日米感情の様なものもある国で、もしムスリムであっても冷静に見れる部分はあるのかなとも思うのだが、やはり吐き捨てる様に「エンペラリズム」だと怒っていたのを何度か聞かされたものである(昔の友人で大分前に国に帰ったが、非常に親日・欧らしく、またいい人だった。その人の宗教は知らない)。カナダ人の友人でも、(トロントにいたので)せっかくだからNYに行きたいものだ、と私が言うと、あの国は危ないから行くなと引き止められた事もある。イタリア、メキシコやスペイン、スウェーデンの人などでも確か程度こそあれ似た様な意見を言っていたのを記憶している。ただ、みんなそういった嫌な面を嫌うが、音楽や映画だとか文化等ならば好きだったりするのである。実に、私もそうだ。それに、個人個人で普通に遊んでいたり、飲んでたりすると、確かに気が強過ぎてしんどくなる人もいるが、実に愉快で砕けていていい人達も沢山いるのだ。とても控え目で優しい人も結構少なく無いのが驚きでもあり、何となくナショナルイメージに左右されているな、気を付けよう、と思った事もある。
しかしまあ、それもこれも当たり前の事だ。
ただ、それは別として、
今はアメリカの国としての政治的傲慢さが善い部分を覆ってしまいつつある。
そういった外交姿勢、態度が滲み出ているのだ。
あのヒル(国務次官補)などが、
「何で日本はアメリカの国内法について、こうしろと文句を言うのか」
等と平気で口にしているが、だったら(以前から何度も何度も触れているが)インド洋での海自補給活動について、あれ程までに執拗にせまって、掻き回しすらする痕跡が感知できる程に求めたあの法案は何だったのだ。内閣が空転する程もめて、後に3分の2強行で採決してまで助けたのは、一体何だったのだと聞いている。
この辺りは前原稿を見て欲しいが、基本的に日本は同盟国として、また人命という究極の人権に対して大義的にも支援しているのだ。
基本的にどちらも外交に関与する国内法である。自国の事のみよけりゃいいのかと。日本はこれもちゃんと言わねばならない。
ましてやこの案件、拉致問題については、被害国は日本のみならず、オランダ、フランス、イタリア、レバノン、タイ、チャイナ、ヨルダン、ルーマニア、マレーシア、シンガポール、そして韓国に至っては最も多い約500人程もの国民が拉致誘拐されているのである。こんな明らかなる、極めて深刻な人権侵害問題、国際テロリズムを適当に扱う様な真似は決して許されない。日本は核問題を軽視するのではない。周辺地域国家にとっては何処にも傍迷惑極まりない問題である。何度も言っているが、これら諸々の北朝鮮問題については全て併せて解決していくしかないのだ。また、可能なのだと言って来たのである。
であるのに、極めて時期と状況を失した判断により核問題だけを捉えて、しかも「中東集中、任期切れまでに何とか成果を」などといった思惑に左右されて実にいい加減な妥協交渉を勝手に始めて、非常に不明瞭なプロセスから出て来るものは何なのかも皆目分からないのが実体であり、それに反して妥協で与えてしまうものはリアル物資エネルギー、イニシアチブとしてもイメージとしても実に大きいのである。全く、こんな馬鹿げた交渉は意味不明だ。前原稿でも示したが、基本的に北朝鮮は困り果てていたのである。ここで更に、その悪しき行為を行うならばそれを止めるまで囲い込んで行く、という各国の強い意志、協力と方法論が今の時点で必要なのであり、説得していけば充分可能だと考えられるのだ。何せそこで悪事にへばりついても善い事など何もないからだ。
今、ライス<→ヒル>ラインがやろうとしている事は、ビル・クリントンの失策の焼き直しである。
非常に馬鹿げている。
だから、こういった極めて馬鹿げた判断は「紛争/緊張状態の持続。分断工作」にすら見えて来ると前から何度も言っているのである。
(※分断した緊張状態が存在する方が、何かあった時に交渉が比較的容易になる。動かし、工作しやすい。)
どちらにしろ、
こういった妥協、「ああ、やっぱりゴネれば何とかなるなあ」「ウヤムヤにして、食料も原油も金も入る」というメッセージにも繋がるこれらの馬鹿げた方向は、
テロリズムに屈する事と同じである。一体、何が違おうか!?
私はこれに断固反対する。
そして日本は当たり前である自国民を助け出さねばならないという事、他国の国民も多数拉致誘拐されているのだという事、「他人事ではないのだ」と認識してもらう様に呼掛ける事(被害当事国ならば尚の事)、法や人権、自由といった諸々の価値観を共有確認している友国には特に強く協力を求めるべきで、世界的なパワーバランスを考えて巻き込むのである。この問題の重要性の意識がまだ足りないならば、日本が引っ張るなら引っ張ってでもやるのである。
そしてこれら各国皆で、悪辣な行為を押さえ込んでいく事が重要なのだ(実質パワー面でも充分に可能である現状は明らかだろう)。どこか一つの国だけが幾ら頑張っても限界があるのであるから、「悪事はこれを認めない。ただし、悪事をやめて償えばこれを許し、世界は彼らを受け入れる」という皆の態度こそが最重要なのである。そう、せっかくここまできて、その北朝鮮は実に手詰まりの状態になっているのであるから。今は協力と説得なのだ。
つまり今、わざわざ歩調を乱しているのは米国なのである。
したがって、
「日米は(茶番等含め)共同歩調に重きをなし、、、」
「日米に亀裂が生じたと思わせてしまったらどうするのか。北朝鮮に利するのではないか」
等といった言い草には全くもって呆れてしまう。また、
「拉致は忘れない」「協力したい」等とブッシュ、ライスと額面上は言ってみせるが、これも行動が全く伴っていない。
こんなものはリップサービス、、、いや誤摩化しだ。正反対の行動を取りながら何を言うかというものである。
ゴミ清掃員の方が掃除している前で、「最近世の中マナーがなってないですねぇ」と言いながら噛んでいるガムを道に吐き出している様なものである。そのextended version だ。
亀裂云々については前にも書いた通り、現状日米とは相当の面で一蓮托生の部類に入る程もたれ合った(しかもGDP世界第一位と二位という巨大さ)関係性がある。困った事に。故に多少の事でぶつかったからと言ってそう簡単に切り裂ける間柄でもない。どっちが倒れても共倒れになる可能性もある関係性だからだ。故に、まして、友国、同盟国というならそれが間違った方向へ向かう等といった、本当に言わねばならない時にはぶつかってでも止めなければならない。
どっちにしろ、今回の件では日本は言わねばならないのだ。はっきりと
ともかく今、歩調をわざわざ乱しているのは米国のライス→ヒル・ラインなのである。
やっとここまでもってきて、もうちょっとで何とか出来るかもという時点で、何で振り出しに戻す様な真似をするのかと気付かねば嘘だ。
何だかグニャグニャとよく分からない様な状態に皆がなっているなら日本が引っ張るべし!
これは明らかなる人権侵害問題。周辺安定とその解決、日米、EUや韓国・東南アジアからかなり連鎖的に中東にまで影響を与える事案。
意地でも主張するべし
一つ一つ順にでも紐解いて解決していくのが、諸々の連鎖する異常状態を治めていく上で肝要なのであると、まずそう添えておく。
(戦略戦術的にその常道を言うならば、分断各個撃破である。ただし、これは勝ち負けだの戦争などではない。何しろ、筆者が目的としているのは撃滅する事でないからだ。もう何度も書いたのでその方法論は前・今原稿など諸々で。)
◆追記:
北朝鮮・寧辺の減速炉冷却塔を爆破…非核化を演出
北朝鮮の寧辺で27日、爆破された黒鉛減速炉の冷却塔(テレビ映像から、AP)
【ソウル=前田泰広】韓国MBCテレビなどによると、北朝鮮寧辺(ヨンビョン)にある5000キロ・ワット黒鉛減速炉の冷却塔(高さ二十数メートル)が27日夕、爆破撤去された。
日米韓中露の放送局が北朝鮮の招待で現地に入ったが、事前に伝えられた生中継はなかった。
米国務省のソン・キム朝鮮部長が約1キロ離れた地点で、爆破に立ち会った。日本や韓国の政府当局者は現地入りしなかった。冷却塔は老朽化が進み、爆破しても北朝鮮の実害は小さく、核廃棄を印象づけたい米朝の思惑が先行した政治ショーとの見方が支配的だ。
(2008年6月27日17時30分 読売新聞)
北の冷却塔爆破、米が2億7000万円拠出
【ワシントン=貞広貴志】北朝鮮・寧辺で27日に行われた冷却塔の爆破作業に対し、米政府が250万ドル(約2億7000万円)の費用負担をしていたことがわかった。
同日付のニューヨーク・タイムズ紙報道を、米政府高官が確認した。
同紙は、北朝鮮当局者の話として、「総費用は500万ドルで、米国が半分を負担した」とも報じたが、同高官は総額の確認は避けた。
同紙によると、今回の一連の措置に批判的な保守派からは、「費用は高すぎる」と、疑問をさしはさむ声も出ている。
(2008年6月28日12時13分 読売新聞)
潘・国連事務総長、日本に対北食糧支援を促す
訪日中の潘基文(パンギムン)・国連事務総長は1日朝、東京都内で開かれた講演会で、米国が北朝鮮への食糧支援を進めていることに関連して「日本も前向きに検討することを望む」と述べた。
潘氏は、「(北朝鮮の核問題と日本人拉致問題の進展に向け)望ましい雰囲気を作るための善意を示すうえでも、人道的な観点でも、日本政府が北朝鮮への(食糧)支援を前向きに検討することを望む」と訴えた。
(2008年7月1日10時44分 読売新聞)
もう一年だかとうの昔から、関係者の間で「既に用済み」と言わ(確認さ)れていた寧辺の施設が爆破されたショー。
こんな馬鹿げた茶番が行われる可能性がある事は、その様に相当前から多くの方も警告されていた事だ。映像を見ていて私もそう思ったが、半島情勢に詳しい重村教授によると「この施設はコンクリ打ち等とにかく造りが雑で、視察に行った米国の専門家達も『こんなものほっときゃすぐ倒れるぞ』と言っていた。」、だからショーを計画し、北朝鮮は倒れる前に爆破してその費用をみんなから貰う、米国は一連の寸劇・茶番の宣材に使おう(議会用)、という寸法であると指摘していた。全くその通りだろう。2つ目の記事を見ても分かるが、何であんなみすぼらしい、オンボロ施設を爆破するのに500万ドルもかかるのだと強く指摘したい。怪し過ぎる金の動きであり、その他、確か後日、食料だかも何万トン米国から輸送到着していたようである。異常な癒着だ。その他も同教授によると、
「(もし、米国テロ指定解除がされ世銀の融資が可能になると)これはあの、まあ金融制裁があるんですが、事実上潤いますんで。何があるかというとですね、一つは北朝鮮と中国の間で渤海(ぼっかい)湾の海底油田の契約がもうできてるんですよ。で、これは35億ドルを掘削料として払う、約4000億円ということになってるんですが、中国政府がですね、テロ支援国家指定が解除されなきゃだめだって言ってストップかけてたんです。このストップが終わるわけです。そうすると4000億円がですね、入ってくる可能性が…」
とまあ、こんなものまであるそうだ。一体どこまでフザケた連中なのだろうか。
これら一連を見ても米国の取ろうとしている行動が如何に不誠実で、事案を後退、悪化継続させるだけだという事が分かる。
ところで、
サウスコリア出身の懸念されるUN事務総長官・潘は、やはり事の重大性を全然分かってないようだ。
どうやら、朝鮮半島が相変わらず分断された緊張状態でいいと、自分がそう言っている事に気がついていない。
「お世話になった世界へ、韓国は今こそ恩返しをするべきである」という韓国民に送ったメッセージは、大変いい事だと思う。
しかしながら事の重大性については全く理解出来ていない様であり、そもそもUNが人権侵害行為、テロリズムを擁護していてどうする。
阿呆か!
色々それなりに問題もあるが、シガミついて来た自らの国の醜い闇を振り払いたい、という主旨を打ち出していた李明博の方がよっぽどいい。
最近の情報は余りよく分からないが、恐らく巨大牛肉デモなどで支持率をガサッと落とされて、政権運営に辛い事だろう。
韓国人は、金大中・盧らが進めた左翼民族主義(北傀儡的)に逆戻りしたいのか?朝鮮半島はこのままでいいのか?
誰を応援すべきか、誰に力を貸すべきか知り、冷静に判断すべきである。
とにかく堪え性がないのだ、、
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