本稿は【民族問題 × 歴史 × 精神疾患】の後に続く一連のもの。何項目か飛ばしている状態/※注:この項目における出来事、事象、また執筆は更新日時現在のものではありません。お取違えなされませぬよう詳細は右に。<07/12/8〜12/14辺り>
<財政について>
まず、日本の年度予算(一般会計)とは一体幾らなのだろう。
それが、約80兆円(※概要を解り易くする為に数字をかなり簡素化する。何れも「約」である)。
では歳入(収入)は幾らなのかと言えば、55兆円。
はい、この時点でもう足りてないですね。
この辺までは日本もアメリカも同じである。
それでもって、歳出予算に足りない分を借金(国債発行など)するのだ。
その額、単純計算 80-55=? で良い。つまり25兆円。
これまた結構パンチの効いた額だ。
では、「一体何にそんな使こうてはるの?」という歳出の中身。
一般歳出 44兆円
地方交付税 15兆円
国債費 21兆円
一般歳出にも色々ある。悪の根源の様に罵られる公共事業費があれば、また教育費等もあり、防衛費やエネルギー対策費等これら諸々が、もちろんのことこれに含まれる。そして注目すべきは、これらのどれよりも何よりも額が大きく、近年将来の大宿題である社会保障費がある。もうこればかりは言い尽くされている感があるが、我が国は「少子高齢化の一途を辿っている」。年金にしろ医療にしろ福祉にしろ、何れにせよ社会保障において高齢化が進むという事は給付費・支出の増大を意味する。当たり前だが、これは絶対的に確実な事なのだ。そういった根源を覆すには、高齢者の増加を上回る勢いで出生率を高めるなり膨大な移民政策でも取るしか無い(こう言うと、また妙な連中が蠢きそうだが)。だが、後者はまず現状において問題が多過ぎるので(もう、いやと言う程言ってきたのでどういう事か分かって欲しい。突き詰めていけば結局、キーワードは反日愛国民族主義である。)極めて現実性が無いうえ危険極まりなく、かといって前者もそんなに思う様に都合良くどうにかなるものでもない。全国の男女が子供をもうけようと思い、そして営む意外にどうしようもないのである(何というか…その、頑張って子作りにも励みましょうよ。子は宝。子供が沢山いて、家庭にも街にも国にも悪い事はそんなにない。笑)。
ただ、そういった雰囲気や環境を整える事は政治によって出来る。要は、安心して子をもうけ、安心して育てる事が出来る社会の整備である。教育や治安といった超重要課題に加えて、経済的に安心して子をもうけ育てる事が出来るかという、「つまりそれは社会保障そのもの」なのだ。本当に何もかもが密接に関係しあっているものである。例えば、それが格差社会などという問題にも現れてくるのであり、その貧しい方に追いやられた若者達が結婚、ましてや子作りなど出来ようはずもないのだ。この辺りについてはこれ以上書くとまた長くなるので、以前書いた原稿に譲る。とにかく年金や国保などの社会保障に関して、そもそもの保険料徴収方式などといった弊害だらけの方式からもう改めるべきである。そして何故税方式として、その財源に消費税の大幅アップとしたかという事も考えて頂きたいのだ。(消費税は間接税でありながら、国民一人一人が常に納税の感覚を非常に直接的に感じる方法でもある。よく言う「皆で支え合うという精神論」からもまず逸脱しない。)
地方交付税。これについても問題が多い。
そもそもの地方分権論には、財源が必ずセットでなくてはならない(と思う)。であるのに、充分な税源を委譲しないで(地方)交付税を引き締める、なんて事をやるものだから途端に地方が悲鳴を上げているのだ。それも、そもそもの予算で、財政出動だなんだといい加減な舵取りをして借金を作って(借金を返す為にまた借金して借金を増やしてという、この項目においての重要な馬鹿公式)、そのやり繰りに窮してしまったので歳出削減の為に現状の様な事をやったのだ、と言われても私は仕方が無いのではないかと思う。そうであるのに、大都市からの他地方への税移譲だとかいうあの論議は、あれは尚おかしな話だと思う。これについても、また別稿を上げようか、、、(※08/07/9追記:と思ってはいたのだが、地方の主な主張にも一理あるかと思う様にもなった。つまり、税源委譲を進める上でも恐らく税収格差というものが地方と都市では非常に大きくなるのは人口・企業集中という面を鑑みても明らかである。公共サービスにまでどんどんと差がついてしまえば更なる人口移動が起り得、それでは都市集中と地方過疎がまた進んでしまう。これは経済や国民生活、諸々のバランスを考えるとあまり善い事ではない。ある意味、勿体無いのである。日本の総合的な力や活力、効率というものを考えても、「地方の可能性」というものが死に体になってしまう。最も単的に、例えば、例えるならば、「土地、沢山あるのに…」である。故に、分権税源においてある程度考慮すべき問題なのかも知れない。あくまでも、これに大きなウェイトを置くべきではないと思うが。)
国債費。要は、過去に借りた借金の返済の為の費用。
馬鹿公式の肝である。
<財政について>
まず、日本の年度予算(一般会計)とは一体幾らなのだろう。
それが、約80兆円(※概要を解り易くする為に数字をかなり簡素化する。何れも「約」である)。
では歳入(収入)は幾らなのかと言えば、55兆円。
はい、この時点でもう足りてないですね。
この辺までは日本もアメリカも同じである。
それでもって、歳出予算に足りない分を借金(国債発行など)するのだ。
その額、単純計算 80-55=? で良い。つまり25兆円。
これまた結構パンチの効いた額だ。
では、「一体何にそんな使こうてはるの?」という歳出の中身。
一般歳出 44兆円
地方交付税 15兆円
国債費 21兆円
一般歳出にも色々ある。悪の根源の様に罵られる公共事業費があれば、また教育費等もあり、防衛費やエネルギー対策費等これら諸々が、もちろんのことこれに含まれる。そして注目すべきは、これらのどれよりも何よりも額が大きく、近年将来の大宿題である社会保障費がある。もうこればかりは言い尽くされている感があるが、我が国は「少子高齢化の一途を辿っている」。年金にしろ医療にしろ福祉にしろ、何れにせよ社会保障において高齢化が進むという事は給付費・支出の増大を意味する。当たり前だが、これは絶対的に確実な事なのだ。そういった根源を覆すには、高齢者の増加を上回る勢いで出生率を高めるなり膨大な移民政策でも取るしか無い(こう言うと、また妙な連中が蠢きそうだが)。だが、後者はまず現状において問題が多過ぎるので(もう、いやと言う程言ってきたのでどういう事か分かって欲しい。突き詰めていけば結局、キーワードは反日愛国民族主義である。)極めて現実性が無いうえ危険極まりなく、かといって前者もそんなに思う様に都合良くどうにかなるものでもない。全国の男女が子供をもうけようと思い、そして営む意外にどうしようもないのである(何というか…その、頑張って子作りにも励みましょうよ。子は宝。子供が沢山いて、家庭にも街にも国にも悪い事はそんなにない。笑)。
ただ、そういった雰囲気や環境を整える事は政治によって出来る。要は、安心して子をもうけ、安心して育てる事が出来る社会の整備である。教育や治安といった超重要課題に加えて、経済的に安心して子をもうけ育てる事が出来るかという、「つまりそれは社会保障そのもの」なのだ。本当に何もかもが密接に関係しあっているものである。例えば、それが格差社会などという問題にも現れてくるのであり、その貧しい方に追いやられた若者達が結婚、ましてや子作りなど出来ようはずもないのだ。この辺りについてはこれ以上書くとまた長くなるので、以前書いた原稿に譲る。とにかく年金や国保などの社会保障に関して、そもそもの保険料徴収方式などといった弊害だらけの方式からもう改めるべきである。そして何故税方式として、その財源に消費税の大幅アップとしたかという事も考えて頂きたいのだ。(消費税は間接税でありながら、国民一人一人が常に納税の感覚を非常に直接的に感じる方法でもある。よく言う「皆で支え合うという精神論」からもまず逸脱しない。)
地方交付税。これについても問題が多い。
そもそもの地方分権論には、財源が必ずセットでなくてはならない(と思う)。であるのに、充分な税源を委譲しないで(地方)交付税を引き締める、なんて事をやるものだから途端に地方が悲鳴を上げているのだ。それも、そもそもの予算で、財政出動だなんだといい加減な舵取りをして借金を作って(借金を返す為にまた借金して借金を増やしてという、この項目においての重要な馬鹿公式)、そのやり繰りに窮してしまったので歳出削減の為に現状の様な事をやったのだ、と言われても私は仕方が無いのではないかと思う。そうであるのに、大都市からの他地方への税移譲だとかいうあの論議は、あれは尚おかしな話だと思う。これについても、また別稿を上げようか、、、(※08/07/9追記:と思ってはいたのだが、地方の主な主張にも一理あるかと思う様にもなった。つまり、税源委譲を進める上でも恐らく税収格差というものが地方と都市では非常に大きくなるのは人口・企業集中という面を鑑みても明らかである。公共サービスにまでどんどんと差がついてしまえば更なる人口移動が起り得、それでは都市集中と地方過疎がまた進んでしまう。これは経済や国民生活、諸々のバランスを考えるとあまり善い事ではない。ある意味、勿体無いのである。日本の総合的な力や活力、効率というものを考えても、「地方の可能性」というものが死に体になってしまう。最も単的に、例えば、例えるならば、「土地、沢山あるのに…」である。故に、分権税源においてある程度考慮すべき問題なのかも知れない。あくまでも、これに大きなウェイトを置くべきではないと思うが。)
国債費。要は、過去に借りた借金の返済の為の費用。
馬鹿公式の肝である。
これらの必要予算に対して、歳入収入が足りないので公債金収入で補う。つまりは新たな国債発行、借金をしているのである。雪だるま方式に借金が膨らむのは目に見えているのだ。だからまるで阿呆のやる借金の作り方だと言う。
それでもって、現在の日本の公債残高は約547兆円にまで達する。
ものを作るのは大変だけれども、壊すのは容易く、あっという間だ。
真っ当に金を儲けるのは大変だけれども、借金を作るのは、またいとも容易くあっという間だ。
何だかんだを含めれば、「日本の借金は800兆円からある!」と言う人も居る。要は債務というものを全部引っくるめて、という債務残高を言っているのだろう。実際、国債部分についても資料を見てみると、財政融資資金特別会計国債、なんてのもある。額が140兆円からあるので、その部分についてはそういった叫びもあながち嘘でもない様な気もする。ただ、そういった「日本は借金塗れだ!破産だ!」と騒ぎ立てる人は、やはりそういった一面の事実しか見えていない様にも映る。つまりそれは、債務残高のみをクローズアップして取り上げてしまっているという事であり、要は、財産や債権というものの存在が全く頭に無いという事。これもまた非常に偏った見方でおかしいのではないか、と思う。多分、政府批判の為にマイナス部分を殊更クローズアップし、その批判論において不利となる都合の悪い部分を省いた(というか、どうでもいいという)誰ぞのいわゆるミスリードに煽られてしまった部分があるのかも知れない。それが意図的であるかどうかは、本人の思想にもよるだろう。あとは、ちょっとオッチョコチョイ度合い、というか、物事を額面通りに受け取ってしまう傾向の度合いである。(私もおっちょこちょいだが。笑)
つまり、日本の場合ちょっと面白くもあるのが(いや、実の所こんな馬鹿な状態は早く解消せねばならないが)借金残高が非常に高額でありながら、それと同時に高額の貸金残高を保有する債権国でもあるという事である。平成18年の時点で、対外純資産残高が何と215兆円を越えるという巨額の債権をもつ債権国でもあるのである。多分、世界最大の債権国なんじゃなかろうか。
特にこの辺りが、米国との決定的な違いである。途中の、借金雪だるま方式の阿呆状態は同じなのだが。
同じ様に財政赤字状態だが(確か、その赤字状況も米国の方がかなり酷いはずである)、一方で貿易など経常収支において日本は超黒字であるが、残念ながら米国はこれも超赤字なのだ(故に資本収支における収益性を上げる事に躍起になる)。つまり日本は借金も多い債権国であるが、米国は単に純債務国なのである。また日本の債務は、例えば国債において米国が日本を始めとした外国資本による債務であるのに比べて、その殆どが国内資本によるものであるのもまた大きな相違点である。
どっちも不健全な財政状態、である。だが、以上の様に諸々の要素を見てきて例えば比べてみて、どちらの方がよりマズいかといえば、それはどう考えても米国だろう。そんな状態であるのに、「何だか手前味噌の『米国の』格付け会社」が「米国は世界的な経済的競争力を保持した国、No.1」と格付けしただとかいうのだから(笑)、そんなニュースを何だったか用事をしながら耳にして思わず笑ってしまったのだ。元々、自国有利優位のインチキを世界各国にゴリ押すのは得意な国であるが(インチキだとか馬鹿さ加減や気持ち悪さをプラスすると、韓国の右に出る所もないとは思うが。笑)、それなりに分かって来ると案外露骨に見えてくるもので、つまりはそれを差し引いてもサブプライムでは結構焦っている様だ。そうなると、また色んな所に圧力を掛けている可能性は充分にあるので、見るべき人は良く見ておいた方が良い。
さて、もう少しだ。
まとめてゆくと、
まず、他の問題以前の財政状況が、日米両国とも「借金してまた借金して借金返す為にまた借金して」というまるで阿呆な状態。
日本も決して他所を笑っていられる様な状態ではない50歩100歩の様なものだが、やはり米国はより酷く、収支が基本的な赤字体質であるにもかかわらず借金しては消費して、借金しては投資して、という異常状態である。日本は、それに金を貸しているのである。しかもドル建てで。
全くもって呆れたことに、、、GDP世界第一位と二位の巨大(経済)国がこんな滅茶苦茶な状態でもたれ合っているのである。
危ない事この上ない。どっちが転んでもどっちも破綻で、世界にも洒落にならない様な影響やダメージを与えるのが必至なのである。
日米、米日やかましく言うのは、やはりなんと言っても規模が凄まじく大きいからである。それらが破綻なんて事になったら、我が身にある影響、日本の状態もさながら世界的にロクな事にならないと思うのだ。
お互いに財政を健全化していくしかないだろう?
でなければ、敵と利権を求めて対外戦争でも始めるしかなくなってしまう。
米国の場合、その場所を中東に求めている様に見えて仕方がないのだ。
以前から言い続けている通りである。
イラン等中東に集中的に向かいたくて仕方がないものだから、また問題だらけである東アジア、特に北東アジアなど適当に済ませてしまいたい。
であるから、この辺りの問題児国家(チャイナ・韓国・北朝鮮)とも適当な妥協的取り込み外交を始めるだろうと。
6カ国協議などという茶番における北朝鮮に対する外交が最もそれをよく現している。これからもそれが、米国の思惑を示すリトマス試験紙の様なものだと思ってよいかとも思う。日本にとって、アジアにとって、この辺りの問題を適当に済ます事は必ず為にならない。それでもって、中東でドンパチ始まっても、それはアジアどころか世界にとって良い事などでない。
で、日米の財政だが、プライマリーバランスの黒字化。まずはこれが必須だろう、私などが言うまでもないんだろうけど…
それでもって、債務残高自体を減らしてゆく事を何としても進めねばこのままでは、流石に「破綻破綻」と騒ぐ人達の、騒ぐ通りになってしまいかねない。それでもって米国については、ドル安誘導で「減らしました」なんていう、「自分だけ良きゃ何でもいいや」的なインチキをやらせない事だ。
日本について言えば、高額の貸金と借金の両方を抱えて、その大きさ故に大きな利払いと収入をグルグル環流させながら、それでもやはりジリジリと赤を増やしているのだと思う。しかもその貸金の運用を、極めて胡散臭い(というか無茶な)資金繰り状態にある米国に流している。債権にしろ、これは米国についても同じだが国有財産にしろ、これは考慮に入れるべきなのだがかと言って実際問題償還の為にそれらを処分するのかといえばそうもいかない。するとやはり地道に、プライマリーバランスをゼロからプラス化して少なくともこれ以上余計な借金をしない状態にもっていって(だって一般会計で完全黒字化して、その余剰金を償還に回すなんてのは、現実問題どう考えても直ぐには無理だろうから)、他の収入からでもこれを減らす方策を考案していかねばならないのだ。その一例が、例えば冒頭に取り上げた国家ファンドによる資産運用であり、その運用資金はとするならば最も適しているのだろうものが例えば外貨準備である。その上で、ドルに偏り過ぎな運用も多角化してなだらかなものに変えて行かねば、そのリスクも高過ぎる。その場合において懸案されるのが、要は米国が嫌がるのだろう事と、日本の資金が動くという事で市場のドル/債権売りが始まり、それが元でドル安米株安が発生して、結局その日本が保有する巨大な米債の価値を目減りさせてしまうという不安。
まあそれは、確かにそういった問題はクリアしていかねばならないだろう。
しかしだからといって、結局今までと同じ事を続けていても何も変わらないどころか、負の加速度が付いている状態なのだから放っておくだけでリスクはただ増してゆく。ゆっくりでも始めれば良いのだ。いや、始めなければならないのだ。米国が嫌がるだとかそういった点については、勝手な事ばかり言うなというもので、出来るだけ穏やかに交渉をすれば良いがあまりに過ぎるならはっきりと言わねばなるまい。「物事には限度がある」と。そして、お互いの財政をそれぞれに他力本願でなく自助努力で健全化してゆかねばもう立ち行かなくなる限度に、これも差し掛かっているのだと。
大丈夫、米国というのもいざという時には何とかする力を持っている国さ。
と、
本音半分、お世辞の励まし半分の言葉を投げかけてプライドもくすぐるのである。
_____________________
追記08/02/8:
日本に必要なのは幾ばくの利上げ、米国に必要なのは幾ばくの利下げ、じゃないの?
日本については資本流出防止と、米国についてはバブル/インフレ状態の解消だが、これ以上利上げしてたんじゃ財政が破綻する。
日本については、いまのうちに少しでも債務返済(財政再建)を進めるべし
GDP世界第二位の日本の経済が諸外国と比べて根本的にそれほど悪いものでない(※08/07/9付記:この部分については、あの大田・経済財政相の愚かな問題発言に強い違和感を感じた事等も特にあったと記憶する。/結果、株価にも悪影響を与えた。)
製造業、ハイテクは常に強い、貿易収支なんて超黒字だ
何が問題なのか。財政問題であり、金融なのだ。
では金融収支の何が問題なのか。ゼロ金利という異常な低金利状態で資本投資が国外に流出するから
こうすれば何を進めてゆくべきかはっきりしてくる
素早く財政再建を進めながら、徐々にある程度の利上げ、これしかないだろう
米国も、利下げは徐々に、それでもって極端に資本が逃げない様に活性策も講じつつ、とにかく財政再建
私は、米国がやるという財政出動なんてのは正直、下策だと思う。一時的なカンフルというかモルヒネ?
財政どうするの
メモ:
外貨準備は約9544億ドル。運用益が年、3〜4兆円
<07/12/8〜12/14中旬辺り>
それでもって、現在の日本の公債残高は約547兆円にまで達する。
ものを作るのは大変だけれども、壊すのは容易く、あっという間だ。
真っ当に金を儲けるのは大変だけれども、借金を作るのは、またいとも容易くあっという間だ。
何だかんだを含めれば、「日本の借金は800兆円からある!」と言う人も居る。要は債務というものを全部引っくるめて、という債務残高を言っているのだろう。実際、国債部分についても資料を見てみると、財政融資資金特別会計国債、なんてのもある。額が140兆円からあるので、その部分についてはそういった叫びもあながち嘘でもない様な気もする。ただ、そういった「日本は借金塗れだ!破産だ!」と騒ぎ立てる人は、やはりそういった一面の事実しか見えていない様にも映る。つまりそれは、債務残高のみをクローズアップして取り上げてしまっているという事であり、要は、財産や債権というものの存在が全く頭に無いという事。これもまた非常に偏った見方でおかしいのではないか、と思う。多分、政府批判の為にマイナス部分を殊更クローズアップし、その批判論において不利となる都合の悪い部分を省いた(というか、どうでもいいという)誰ぞのいわゆるミスリードに煽られてしまった部分があるのかも知れない。それが意図的であるかどうかは、本人の思想にもよるだろう。あとは、ちょっとオッチョコチョイ度合い、というか、物事を額面通りに受け取ってしまう傾向の度合いである。(私もおっちょこちょいだが。笑)
つまり、日本の場合ちょっと面白くもあるのが(いや、実の所こんな馬鹿な状態は早く解消せねばならないが)借金残高が非常に高額でありながら、それと同時に高額の貸金残高を保有する債権国でもあるという事である。平成18年の時点で、対外純資産残高が何と215兆円を越えるという巨額の債権をもつ債権国でもあるのである。多分、世界最大の債権国なんじゃなかろうか。
特にこの辺りが、米国との決定的な違いである。途中の、借金雪だるま方式の阿呆状態は同じなのだが。
同じ様に財政赤字状態だが(確か、その赤字状況も米国の方がかなり酷いはずである)、一方で貿易など経常収支において日本は超黒字であるが、残念ながら米国はこれも超赤字なのだ(故に資本収支における収益性を上げる事に躍起になる)。つまり日本は借金も多い債権国であるが、米国は単に純債務国なのである。また日本の債務は、例えば国債において米国が日本を始めとした外国資本による債務であるのに比べて、その殆どが国内資本によるものであるのもまた大きな相違点である。
どっちも不健全な財政状態、である。だが、以上の様に諸々の要素を見てきて例えば比べてみて、どちらの方がよりマズいかといえば、それはどう考えても米国だろう。そんな状態であるのに、「何だか手前味噌の『米国の』格付け会社」が「米国は世界的な経済的競争力を保持した国、No.1」と格付けしただとかいうのだから(笑)、そんなニュースを何だったか用事をしながら耳にして思わず笑ってしまったのだ。元々、自国有利優位のインチキを世界各国にゴリ押すのは得意な国であるが(インチキだとか馬鹿さ加減や気持ち悪さをプラスすると、韓国の右に出る所もないとは思うが。笑)、それなりに分かって来ると案外露骨に見えてくるもので、つまりはそれを差し引いてもサブプライムでは結構焦っている様だ。そうなると、また色んな所に圧力を掛けている可能性は充分にあるので、見るべき人は良く見ておいた方が良い。
さて、もう少しだ。
まとめてゆくと、
まず、他の問題以前の財政状況が、日米両国とも「借金してまた借金して借金返す為にまた借金して」というまるで阿呆な状態。
日本も決して他所を笑っていられる様な状態ではない50歩100歩の様なものだが、やはり米国はより酷く、収支が基本的な赤字体質であるにもかかわらず借金しては消費して、借金しては投資して、という異常状態である。日本は、それに金を貸しているのである。しかもドル建てで。
全くもって呆れたことに、、、GDP世界第一位と二位の巨大(経済)国がこんな滅茶苦茶な状態でもたれ合っているのである。
危ない事この上ない。どっちが転んでもどっちも破綻で、世界にも洒落にならない様な影響やダメージを与えるのが必至なのである。
日米、米日やかましく言うのは、やはりなんと言っても規模が凄まじく大きいからである。それらが破綻なんて事になったら、我が身にある影響、日本の状態もさながら世界的にロクな事にならないと思うのだ。
お互いに財政を健全化していくしかないだろう?
でなければ、敵と利権を求めて対外戦争でも始めるしかなくなってしまう。
米国の場合、その場所を中東に求めている様に見えて仕方がないのだ。
以前から言い続けている通りである。
イラン等中東に集中的に向かいたくて仕方がないものだから、また問題だらけである東アジア、特に北東アジアなど適当に済ませてしまいたい。
であるから、この辺りの問題児国家(チャイナ・韓国・北朝鮮)とも適当な妥協的取り込み外交を始めるだろうと。
6カ国協議などという茶番における北朝鮮に対する外交が最もそれをよく現している。これからもそれが、米国の思惑を示すリトマス試験紙の様なものだと思ってよいかとも思う。日本にとって、アジアにとって、この辺りの問題を適当に済ます事は必ず為にならない。それでもって、中東でドンパチ始まっても、それはアジアどころか世界にとって良い事などでない。
で、日米の財政だが、プライマリーバランスの黒字化。まずはこれが必須だろう、私などが言うまでもないんだろうけど…
それでもって、債務残高自体を減らしてゆく事を何としても進めねばこのままでは、流石に「破綻破綻」と騒ぐ人達の、騒ぐ通りになってしまいかねない。それでもって米国については、ドル安誘導で「減らしました」なんていう、「自分だけ良きゃ何でもいいや」的なインチキをやらせない事だ。
日本について言えば、高額の貸金と借金の両方を抱えて、その大きさ故に大きな利払いと収入をグルグル環流させながら、それでもやはりジリジリと赤を増やしているのだと思う。しかもその貸金の運用を、極めて胡散臭い(というか無茶な)資金繰り状態にある米国に流している。債権にしろ、これは米国についても同じだが国有財産にしろ、これは考慮に入れるべきなのだがかと言って実際問題償還の為にそれらを処分するのかといえばそうもいかない。するとやはり地道に、プライマリーバランスをゼロからプラス化して少なくともこれ以上余計な借金をしない状態にもっていって(だって一般会計で完全黒字化して、その余剰金を償還に回すなんてのは、現実問題どう考えても直ぐには無理だろうから)、他の収入からでもこれを減らす方策を考案していかねばならないのだ。その一例が、例えば冒頭に取り上げた国家ファンドによる資産運用であり、その運用資金はとするならば最も適しているのだろうものが例えば外貨準備である。その上で、ドルに偏り過ぎな運用も多角化してなだらかなものに変えて行かねば、そのリスクも高過ぎる。その場合において懸案されるのが、要は米国が嫌がるのだろう事と、日本の資金が動くという事で市場のドル/債権売りが始まり、それが元でドル安米株安が発生して、結局その日本が保有する巨大な米債の価値を目減りさせてしまうという不安。
まあそれは、確かにそういった問題はクリアしていかねばならないだろう。
しかしだからといって、結局今までと同じ事を続けていても何も変わらないどころか、負の加速度が付いている状態なのだから放っておくだけでリスクはただ増してゆく。ゆっくりでも始めれば良いのだ。いや、始めなければならないのだ。米国が嫌がるだとかそういった点については、勝手な事ばかり言うなというもので、出来るだけ穏やかに交渉をすれば良いがあまりに過ぎるならはっきりと言わねばなるまい。「物事には限度がある」と。そして、お互いの財政をそれぞれに他力本願でなく自助努力で健全化してゆかねばもう立ち行かなくなる限度に、これも差し掛かっているのだと。
大丈夫、米国というのもいざという時には何とかする力を持っている国さ。
と、
本音半分、お世辞の励まし半分の言葉を投げかけてプライドもくすぐるのである。
_____________________
追記08/02/8:
日本に必要なのは幾ばくの利上げ、米国に必要なのは幾ばくの利下げ、じゃないの?
日本については資本流出防止と、米国についてはバブル/インフレ状態の解消だが、これ以上利上げしてたんじゃ財政が破綻する。
日本については、いまのうちに少しでも債務返済(財政再建)を進めるべし
GDP世界第二位の日本の経済が諸外国と比べて根本的にそれほど悪いものでない(※08/07/9付記:この部分については、あの大田・経済財政相の愚かな問題発言に強い違和感を感じた事等も特にあったと記憶する。/結果、株価にも悪影響を与えた。)
製造業、ハイテクは常に強い、貿易収支なんて超黒字だ
何が問題なのか。財政問題であり、金融なのだ。
では金融収支の何が問題なのか。ゼロ金利という異常な低金利状態で資本投資が国外に流出するから
こうすれば何を進めてゆくべきかはっきりしてくる
素早く財政再建を進めながら、徐々にある程度の利上げ、これしかないだろう
米国も、利下げは徐々に、それでもって極端に資本が逃げない様に活性策も講じつつ、とにかく財政再建
私は、米国がやるという財政出動なんてのは正直、下策だと思う。一時的なカンフルというかモルヒネ?
財政どうするの
メモ:
外貨準備は約9544億ドル。運用益が年、3〜4兆円
<07/12/8〜12/14中旬辺り>
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