それは貧乏人からのむしり取り
<ポールソンの空鉄砲>
ポールソン(米財務長官)の「バズーカ砲」は、舌先三寸の空鉄砲である。
実ははぼ破綻宣言である故に、ファニー/フレディ(GSE)これら両株が破綻処理上で当然そうなる「もう紙屑になるかもよ」という現実を隠した何の実際的解決もない「暗黙の政府保証」とやらの宣伝であるに過ぎない、再び「諸刃の剣」。ファニー/フレディ両社をハリボテただけのギミックであり、株価はボロ紙状態、5兆ドル強にまで膨らませた債務高はその象徴の様に崩れるか。当然だが債務超過状態であり、債権抵当不動産の住宅価格が下落すれば当然不良債権化が更に進行し損失は拡大する。株価下落、資金不足で債務はべらぼうに大きく、債権はこのサブ・プライム・ショックにより連鎖崩壊状態にあり大幅下落。もう完全に支払い不能状態だ。繰り返すが、また、「政府の暗黙保証」とやらの空鉄砲である。
リーマン・ブラザーズは、もう破綻一歩手前。
メリルリンチも厳しい。リーマンの次はメリルだと市場には見られている。AIG(保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ)も大幅安。シティやモルガン(バンクオブアメリカは?)も同様だ。
リーマンについても、今更だがまだ市場原理主義を謳う以上、あっちこっちにホイホイと公的資金(税金)を練り込めない上に、そもそも本当にそういう政策は嫌っている様だし、ファニー/フレディという大きなものがある以上尚これは出来ない。しかしながら、バーナンキ(FRB議長)とポールソン(財務長官)が会談を行い市場に救済を促すだとか言っているが、、もう財金分離も糞も無い。
所で、リーマンの資金繰りに引っ張り出されかかった韓国公社ファンドがこれを断った。韓国が、昨今稀に見る良い判断と行動である。
AIGは同じく多大な不良債権を抱えており、12日には株価も30%強の急落。(例の)S&Pによる格付けも下げられる見込みだそうで、130億ドルの担保が義務付けられる公算であるという。資金不足
S&L(貯蓄・貸付組合)最大手の米ワシントン・ミーチュアルも最大190億ドルの不良債権を抱えており、今(先)週で株価も34%急落。支店売却を視野に入れているという。フィッチ・レーングス(格付け会社)の格付けも低下。住宅ローン関連損失が既に63億ドル(預金ベースあり。後の買収は、価値のあるものとしてありか。当然だろうが現状では会計が悪くどこも手を出したがらない。しかし支店売却でしか増資の見通しが立たない様子)資金不足
米ゼネラル・エレクトリック(GE/金融や商業用不動産事業が傘下に)、食品関係も、景気減速と食品、原油高のあおりを受けるのは当然か。
翻って原油関連は相変わらずこれは高く水準する。
何れも、以前から何度も述べている雪達磨阿呆方式を地で行っていたのであり、増資などそう簡単に行くものでもなかろう。
米国市場からは資金が逃げている。
当然だ。株価下落、債券市場、クレジット・デリバティブが連鎖し下落する。
こんな危ない市場に金を注ぎ込むのは、滅茶苦茶にリスキーである。
個人投資家だってそうだろうが、売買規定が色々とある投資企業筋とて、より尚、あるとしてそのリスキーな短期売買のテクニカルな戦いくらいだろう、メインは。
長期では絶対に大幅に下がるのは目に見えている。
<08/9/15>
08/9/19追記:
と、こう後に記すものを含めて色々と書いている間にリーマンは破綻した。
メリルリンチはバンク・オブ・アメリカに買収・救済合併され、というかバンカメやシティだって一連の不良債権山ほど抱えてそうだが。少し見てみても何だかバンカメの株価は妙な動きをしている。基本的には下げなのだが。また、同様に不良債権を大量に抱えたAIGは米政府が「公的資金注入」(税金投入)したらしい。内容を見るとFRBによる最大850億ドル融資、米政府が株式の約80%取得権を確保。つまり実質破綻、公的管理下へ
またやりおったよ
延々と市場原理主義をゴリ押してきていたはずなのだが、市場介入し、よりによってまた税金投入だ。ええんかいな、こんなに税金ばっかあっちこっち入れて。グローバルなスタンダードは市場原理主義で、市場介入せずに、自由市場にまかせ、市場増資不能、自らのとった経営で債務超過から破綻するならして、債務処理してから税金投入するならすべきじゃないんだろうか。後半はそうでなくてもそうだが、前半は特に、彼等の言う通りにするならば完全に矛盾もいいところで、勝利がどうとかやたら言いたがるので敢えて言うが、貴方々はまた負けている。であるのに、リーマンではその通りにしながら一転してまた誤摩化してジャブジャブジャブジャブ
だいたい、経営責任の明確化や不良債権処理が進まねばこんなものは何時までも解決されないのは同じ事だ。
米国の健康保険にすら加入出来ない貧困層は特に、こんなフラフラで手前勝手のいい加減なガバナンスを許すべきでないと思う。
AIGが保険大手というのも皮肉なものだというか何と言うか…、とにかく一連サブ・プライム問題におけるCDS、CDOを始めとしたデリバティブとその債権、不良債権の蔓延はとてつもなく根深い様だ。公的管理下に置かれたAIGもGSE(ファニー/フレディ)と同じで、GSE2000億ドルと同じくその850億ドルで済むか分からない当座の繋ぎ資金。実質破綻で株価も急落、52週最高値70ドルから最安値の1.25ドル、紙屑状態へ。
もう、完全にモラルハザードと言ってよい米政府による内容無き大量財政出動(公的資金投入/税金投入)は、当然、政府財政状態を更に悪化させ、米国債等の債券市場に直結して響くだろう。
ブッシュ減税(財政出動)約1700億ドル
AIG 850億ドル
べアー 300億ドル
GSE 2000億ドル
リーマン破綻の負債総額は6130億ドル。同じく破綻リーマン日本法人負債総額は約300億ドル
これについては米バンカメや英バークレイズ、日本メガバンク数行やチャイナ公社に上記の韓国公社による買収協議もあったが何れも不調となった様だ。何れも資産、部門売却等で再生が計られるだろう。
それにしても、
上記の大量財政出動、これら4つだけでも約5000億ドル。昨年からの(11ヶ月間)財政赤字に匹敵する…
後日追記:GSEの負債総額は約7兆ドル??
CDO、CDS等デリバティブ 約5兆2000億ドル、社債 約1兆6000億ドル
約700兆円で、、、1割焦げ付いて70兆円。2割焦げ付いて140兆円。3割…
どう考えてもあの不良債権処理もされずに投入された2000億ドルでは足りない。
(※住宅市場価格参照を)
国をあげての投資・消費熱狂、クレジット中毒、借金体質
しかもその借金雪達磨方式で、文字通りそのまま世界から金を借りまくり資源を使いまくり消費しまくり、、
一極・世界覇権主義構造がこれに更に拍車を掛け、市場原理主義の行き過ぎやトリック。対立構造。軍産。諜報SPY濫用。
他の国や、それこそ自国の人間すら末端が幾ら傷付こうが意にも介さない。
それは対外含め金融資産残高、その他資産残高に、ストックを考えると、
負債、債務というものを雪達磨方式で誤摩化しながら資産をガンガン増やす、それは資産残高のバカでかい、負債残高は更にデカい債務超過状態
まるでGSE(ファニー/フレディ)じゃないか。そのものか。
それは、皆にちゃんと返せ阿呆。という話だ。
(体力のあるところはストックを償却、無くて無茶インチキばかりしていただとか、何れにせよ不良債権抱えまくって評価額が付かないというような状態のところは当然破産法に則って処理、或いは身売り買収を望むだとかするしかないだろう。何れにせよ会社の本体或いは各部門が無くなってしまうのでなく、これもそれら何れかの新たな形で再生するだけの話だ。(毟り取った)ストックを吐き出し、その残高自体の膨れ上がった(ぶんどった)ものを、他国も返して貰い、いや、前にもそう言ったが取り返せばいい。これで米国一極体制規模収縮が進む。)
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