<タイ。続くタクシン・ショック>
ここの所もずっと混乱の続くタイランド。
東南アジアの友国、タイについて中々多く触れる事も出来ていなかったのだが、当然ながら現在の世界情勢における影響や実態はここも無関係でない。
そう認識はしていたものの、最近の情勢もそこまで詳しくなかったのでまた、ある程度だがなぞってみると大変興味深い。ただし、タイ国民にとっては全く冗談じゃない事態であり、心情をお察しする。頑張れ!!
まず、
現在のタイの混乱において欠かす事の出来ないのが、
というか混乱の(表層的)発信源が、同国の元首相タクシン・チナワット。
彼は、元警察官。当時からの副業で起こした企業シン・コーポレーションは警察官時代のコネクションを活かし政府系契約で成長する。
後にこういった経済力を活かし、2001年、「タイ愛国党」を立党し政権を奪取する。タクシンの政治スタイルは、これも開発独裁というか、より、国家の私物化という感じが漂う。
タイ国内で圧倒的な資本を牛耳ったシン・コーポレーション株は、首相就任時に親族名義に書き換えている。政府に反対論陣を張るメディアは国外追放にしたり、或いはそのシン・コーポレーションで買収をしてしまう。
主に貧しい地方農村への援助を、強く選挙対策として滲ませ、或いは選挙そのもので金をバラ撒いて(明らかなる公職選挙法違反)いたりするというのはよく言われ聞かれ、反対運動を産んでいた事でもあり、結局後に違憲判決も出て解党処分。
2006年、シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスに、そのシン・コーポレーションを733億バーツ(約2300億円)で売却。
売却益に対して節税工作(※後に脱税と認定される)により僅か2500万バーツ(約8300万円)で逃れた。
また、チベットや東トルキスタン、内モンゴルや台湾への行ないを見ても分かる通り、チャイナの悪辣な行ないは、同国の嫌な傾向を見せる移民系浸食なども含み、当然東南アジア、ASEAN方面でも嫌われており、しかし経済的な結びつきや圧力などから微妙な雰囲気、つまり政冷経熱の様なものが常に漂う確執が存在する。(※また南部ではイスラム過激派の活動もある。)
シンガポールというのは、マレーシアからそういった意味で大変嫌がられて追い出される様に分離した小国で(※よく知られる様に、国土は大変小さい。が経済は東南アジアではかなりの規模である。)、チャイニーズが大変多い。
どっちにしても似た様なものだろうが、タクシンがそのまま政権に就いていたとしても、そうでなくても、またこの様にタイ国内を政治工作すら絡めて市場支配させてきた巨大企業をシンガポールに握られる事となる。
この見事なパス回し(呆れ顔)。
いや、まあ見事じゃないか。突っ込み所としてだね。
不正蓄財然り、怒って当然だろう。
特にこれをもって、契機とし、
タイ国民の怒りは爆発し、国民的な大反対運動が発生し、政情不安定となる。
そして遂に、タイの国軍がクーデターを決行。
2006年9月、軍部によるクーデター。
直前にNY滞在中のタクシンは非常事態宣言を発令したが、
当時軍司令官ソンティの暫定行政改革団就任をタイ国王が承認、タクシンの発した非常事態宣言は解除、無効となった。
2006年10月、NYからロンドンへ渡る事実上の亡命。
2007年、裁判所は(国民のタクシン大反対とボイコットにより)無効になった2006年下院選において、タクシン「タイ愛国党」の選挙違反を断じ、解党を命じる判決。
「国民の力党」は、タクシンの「タイ愛国党」(※タイ国内解党、現在支部が北京に)の受皿。
2008年2月末、タイに帰国。
即座に逮捕されるが、900万バーツ(約3000万円)の保釈金を支払い釈放。
2008年7月に、既に最高裁は「国民の力党」副党首のヨンユット前下院議長を、
2007年12月の下院選挙における買収工作による公職選挙法違反で有罪判決を下している。
選挙管理委員会はこれを「党ぐるみ」と断じ、検察に起訴を勧告。
2008年10月、タイ検察は「国民の力党」の解党を最高裁に申し立て。
また、クーデター時にソンティ司令官側は、
タクシンの不正蓄財についての調査委員会を設置。
同委員会は、タクシン一族が汚職や不正によって蓄財したと認定し、資産大半を凍結。
2008年8月、タイ検察は、タクシンの不正蓄財について起訴、その資産760億バーツ(約2400億円)没収を申し立てている。
2008年9月2日にサマック、非常事態宣言。
武器を持った「政府支持グループ」が、
市民民主化同盟(PAD)のデモ参加者を襲ったのが衝突の発端。
そう言えば、タクシン(タイ愛国党)の頃から選挙買収と共に金で動かしている怪しげな勢力の存在は常に指摘されていたのを記憶している。
後継サマックは、基本的に解党したタクシン党の受皿「国民の力党」党首、首相であり、タクシンの系列。国民にもそう見られている。そして彼は、なんぞのTVプログラムに出て報酬を貰い、裁判所から違憲判断が出て遂に失職。
また次に出て来たソムチャイも、これまた当然だが「国民の力党」所属でもあり、タクシンの義弟とか…
割と穏やかな争乱状態であるタイは、タクシン政局からもうずっと、混乱している。
現在も、PADらの国民の反対運動は活発で衝突もしばしば、首相府も占拠しているが、先日その幹部が逮捕されたり。
しかしこういった混乱状態において、
軍部がこういう穏やかな態度と、あくまでも政治から一定の距離を取っている事が大変、混乱しておりそれは問題は問題だが、好ましい。
これは、タイ国民の声だろう。
非常事態宣言のバンコク、陸軍司令官は「国民の側に立つ」
【バンコク=田原徳容】タイの首都バンコクで反政府勢力と政府支持団体が衝突したのを受け、首都に非常事態宣言を発令したサマック首相は2日、非常事態委員会を設置し、アヌポン陸軍司令官を委員長に任命した。同司令官は記者会見で、首相退陣を求めて首相府を占拠する反政府勢力「市民民主化同盟(PAD)」の抗議活動について、首相とPADの話し合いでの解決を促し、慎重姿勢を示したが、緊張は続いている。アヌポン司令官は、「軍は衝突収拾に努めるのみ。軍は国民の側に立ち、兵士は武装せず、問題に対処する」と語った。また、「政治の対立は交渉で平和的に解消されるべき」と繰り返した。
(2008年9月2日23時09分 読売新聞)
また、
タクシンはシン・コーポレーション売却益などの巨大な資金により、国自体がウィンブルドン状態のロンドンで、サッカーチームを買収(※2007年7月)するなど相変わらずな感じ。そのチームは、UKプレミアリーグ・マンチェスターFC。ついこの間の2008年9月、タクシンはチームをUAEの投資グループADUGに売却。尚、同マンチェスターFCはブルーカラーのサポーターが多い事でよく知られる。
彼は、その通り、基本的に市場原理主義とかグローバルだとかいった系列の一員。
というか手下というか微妙な感じ。
ただし、前述の通りチャイナ移民である彼はその行動を見る限りチャイニーズ系統の思惑も臭わせており、
つまり、チャイニーズお得意の移民系浸食によるタイ乗っ取りに近く、国家の私物化の様な状態からタイ国民の激しい反対運動に遭い、同期した軍部のクーデターにより失脚した。下請けチャイナの親玉アングロネット・グローバル(盟主米:現衰退・破綻)、という感じ。
実に、シンガポールのリー・クアンユー・一家や
そう、
台湾の馬英九らと似ている。非常に似ている。
(※link「中台両岸モラトリアム」)
タクシン、お前はタイ人(Thai)なのか?
同じである。民族的な系統などというものは、それは色々と弄ったり工作利用する連中がいるが、ある程度理解出来る部分があったとしても、その付け込まれる闇に飲まれ、己の欲やエゴ、何かの手先になったりする行ないで背信する事は、決して好まれ、認められるものでない。今そうである様に、激烈な反対と嫌悪をもって報いられる。
「普通のタイ人になりたい」
そう言い、本当にそう思うのならば、汚い真似をして握り締めたものをその手から離せ。
そして、
「ごめんなさい」
そう心から謝る事で、きっと多くの人々は許し受け入れてくれるだろう。
確執を煽り続けるその闇から、抜け出そう。
今、世界はそんな闇から多く抜け出す事が出来そうな、そんな風が吹いている。
そこでその風に乗って飛び立つ勇気は、
自分自身の心、必ずそこにある。
タクシン、サマック、ソムチャイ。リークアンユー
ここの所もずっと混乱の続くタイランド。
東南アジアの友国、タイについて中々多く触れる事も出来ていなかったのだが、当然ながら現在の世界情勢における影響や実態はここも無関係でない。
そう認識はしていたものの、最近の情勢もそこまで詳しくなかったのでまた、ある程度だがなぞってみると大変興味深い。ただし、タイ国民にとっては全く冗談じゃない事態であり、心情をお察しする。頑張れ!!
まず、
現在のタイの混乱において欠かす事の出来ないのが、
というか混乱の(表層的)発信源が、同国の元首相タクシン・チナワット。
彼は、元警察官。当時からの副業で起こした企業シン・コーポレーションは警察官時代のコネクションを活かし政府系契約で成長する。
後にこういった経済力を活かし、2001年、「タイ愛国党」を立党し政権を奪取する。タクシンの政治スタイルは、これも開発独裁というか、より、国家の私物化という感じが漂う。
タイ国内で圧倒的な資本を牛耳ったシン・コーポレーション株は、首相就任時に親族名義に書き換えている。政府に反対論陣を張るメディアは国外追放にしたり、或いはそのシン・コーポレーションで買収をしてしまう。
主に貧しい地方農村への援助を、強く選挙対策として滲ませ、或いは選挙そのもので金をバラ撒いて(明らかなる公職選挙法違反)いたりするというのはよく言われ聞かれ、反対運動を産んでいた事でもあり、結局後に違憲判決も出て解党処分。
2006年、シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスに、そのシン・コーポレーションを733億バーツ(約2300億円)で売却。
売却益に対して節税工作(※後に脱税と認定される)により僅か2500万バーツ(約8300万円)で逃れた。
また、チベットや東トルキスタン、内モンゴルや台湾への行ないを見ても分かる通り、チャイナの悪辣な行ないは、同国の嫌な傾向を見せる移民系浸食なども含み、当然東南アジア、ASEAN方面でも嫌われており、しかし経済的な結びつきや圧力などから微妙な雰囲気、つまり政冷経熱の様なものが常に漂う確執が存在する。(※また南部ではイスラム過激派の活動もある。)
シンガポールというのは、マレーシアからそういった意味で大変嫌がられて追い出される様に分離した小国で(※よく知られる様に、国土は大変小さい。が経済は東南アジアではかなりの規模である。)、チャイニーズが大変多い。
どっちにしても似た様なものだろうが、タクシンがそのまま政権に就いていたとしても、そうでなくても、またこの様にタイ国内を政治工作すら絡めて市場支配させてきた巨大企業をシンガポールに握られる事となる。
この見事なパス回し(呆れ顔)。
いや、まあ見事じゃないか。突っ込み所としてだね。
不正蓄財然り、怒って当然だろう。
特にこれをもって、契機とし、
タイ国民の怒りは爆発し、国民的な大反対運動が発生し、政情不安定となる。
そして遂に、タイの国軍がクーデターを決行。
2006年9月、軍部によるクーデター。
直前にNY滞在中のタクシンは非常事態宣言を発令したが、
当時軍司令官ソンティの暫定行政改革団就任をタイ国王が承認、タクシンの発した非常事態宣言は解除、無効となった。
2006年10月、NYからロンドンへ渡る事実上の亡命。
2007年、裁判所は(国民のタクシン大反対とボイコットにより)無効になった2006年下院選において、タクシン「タイ愛国党」の選挙違反を断じ、解党を命じる判決。
「国民の力党」は、タクシンの「タイ愛国党」(※タイ国内解党、現在支部が北京に)の受皿。
2008年2月末、タイに帰国。
即座に逮捕されるが、900万バーツ(約3000万円)の保釈金を支払い釈放。
2008年7月に、既に最高裁は「国民の力党」副党首のヨンユット前下院議長を、
2007年12月の下院選挙における買収工作による公職選挙法違反で有罪判決を下している。
選挙管理委員会はこれを「党ぐるみ」と断じ、検察に起訴を勧告。
2008年10月、タイ検察は「国民の力党」の解党を最高裁に申し立て。
また、クーデター時にソンティ司令官側は、
タクシンの不正蓄財についての調査委員会を設置。
同委員会は、タクシン一族が汚職や不正によって蓄財したと認定し、資産大半を凍結。
2008年8月、タイ検察は、タクシンの不正蓄財について起訴、その資産760億バーツ(約2400億円)没収を申し立てている。
最大与党の解党を/最高検が申し立て、政権崩壊も/タイ
【バンコク10日時事】タイ最高検察庁は10日、ソムチャイ政権の最大与党、国民の力党の解党処分を憲法裁判所に申し立てた。憲法裁が審理を進め解党を命じた場合、ソムチャイ首相を含む党役員の被選挙権が5年間剥奪(はくだつ)されるため、政権が崩壊する。最高裁判所は7月、同党副党首だったヨンユット前下院議長が昨年12月の下院選挙で買収を行ったと認定し、選挙法違反罪で有罪判決を下した。これを受け、選挙管理委員会は「選挙違反は党ぐるみ」と認定し、同党の解党処分を憲法裁に申し立てるよう最高検に勧告していた。
(2008/10/10-17:16)
2008年9月2日にサマック、非常事態宣言。
武器を持った「政府支持グループ」が、
市民民主化同盟(PAD)のデモ参加者を襲ったのが衝突の発端。
そう言えば、タクシン(タイ愛国党)の頃から選挙買収と共に金で動かしている怪しげな勢力の存在は常に指摘されていたのを記憶している。
後継サマックは、基本的に解党したタクシン党の受皿「国民の力党」党首、首相であり、タクシンの系列。国民にもそう見られている。そして彼は、なんぞのTVプログラムに出て報酬を貰い、裁判所から違憲判断が出て遂に失職。
また次に出て来たソムチャイも、これまた当然だが「国民の力党」所属でもあり、タクシンの義弟とか…
割と穏やかな争乱状態であるタイは、タクシン政局からもうずっと、混乱している。
現在も、PADらの国民の反対運動は活発で衝突もしばしば、首相府も占拠しているが、先日その幹部が逮捕されたり。
しかしこういった混乱状態において、
軍部がこういう穏やかな態度と、あくまでも政治から一定の距離を取っている事が大変、混乱しておりそれは問題は問題だが、好ましい。
これは、タイ国民の声だろう。
非常事態宣言のバンコク、陸軍司令官は「国民の側に立つ」
【バンコク=田原徳容】タイの首都バンコクで反政府勢力と政府支持団体が衝突したのを受け、首都に非常事態宣言を発令したサマック首相は2日、非常事態委員会を設置し、アヌポン陸軍司令官を委員長に任命した。同司令官は記者会見で、首相退陣を求めて首相府を占拠する反政府勢力「市民民主化同盟(PAD)」の抗議活動について、首相とPADの話し合いでの解決を促し、慎重姿勢を示したが、緊張は続いている。アヌポン司令官は、「軍は衝突収拾に努めるのみ。軍は国民の側に立ち、兵士は武装せず、問題に対処する」と語った。また、「政治の対立は交渉で平和的に解消されるべき」と繰り返した。
(2008年9月2日23時09分 読売新聞)
また、
タクシンはシン・コーポレーション売却益などの巨大な資金により、国自体がウィンブルドン状態のロンドンで、サッカーチームを買収(※2007年7月)するなど相変わらずな感じ。そのチームは、UKプレミアリーグ・マンチェスターFC。ついこの間の2008年9月、タクシンはチームをUAEの投資グループADUGに売却。尚、同マンチェスターFCはブルーカラーのサポーターが多い事でよく知られる。
彼は、その通り、基本的に市場原理主義とかグローバルだとかいった系列の一員。
というか手下というか微妙な感じ。
ただし、前述の通りチャイナ移民である彼はその行動を見る限りチャイニーズ系統の思惑も臭わせており、
つまり、チャイニーズお得意の移民系浸食によるタイ乗っ取りに近く、国家の私物化の様な状態からタイ国民の激しい反対運動に遭い、同期した軍部のクーデターにより失脚した。下請けチャイナの親玉アングロネット・グローバル(盟主米:現衰退・破綻)、という感じ。
実に、シンガポールのリー・クアンユー・一家や
そう、
台湾の馬英九らと似ている。非常に似ている。
(※link「中台両岸モラトリアム」)
タクシン、お前はタイ人(Thai)なのか?
同じである。民族的な系統などというものは、それは色々と弄ったり工作利用する連中がいるが、ある程度理解出来る部分があったとしても、その付け込まれる闇に飲まれ、己の欲やエゴ、何かの手先になったりする行ないで背信する事は、決して好まれ、認められるものでない。今そうである様に、激烈な反対と嫌悪をもって報いられる。
「普通のタイ人になりたい」
そう言い、本当にそう思うのならば、汚い真似をして握り締めたものをその手から離せ。
そして、
「ごめんなさい」
そう心から謝る事で、きっと多くの人々は許し受け入れてくれるだろう。
確執を煽り続けるその闇から、抜け出そう。
今、世界はそんな闇から多く抜け出す事が出来そうな、そんな風が吹いている。
そこでその風に乗って飛び立つ勇気は、
自分自身の心、必ずそこにある。
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